研究

京都大学医学部附属病院、血液透析中の卵巣がん患者におけるオラパリブ錠の血中濃度を測定し薬物動態を報告

病気の克服を目指す研究動向。写真はイメージです。(写真:Adobe Stock)

 京都大学医学部附属病院薬剤部の津田真弘客員研究員(現・福井大学医学部附属病院薬剤部教授)、上杉美和薬剤師らは、産科婦人科を中心とした共同研究として、血液透析中の卵巣がん患者におけるオラパリブ錠の血中濃度を測定し、その薬物動態を評価した症例を報告した。

 本研究成果は『International Cancer Conference Journal』誌にオンライン掲載された。腎機能が大きく低下した患者へのPARP阻害薬(Poly ADP-Ribose Polymerase阻害薬)投与に関する情報が限られる中、実際の血中濃度データを示した症例報告として位置づけられる。

血液透析中の卵巣がん患者にオラパリブ錠を投与し血中濃度を測定

 京都大学医学部附属病院薬剤部の津田真弘客員研究員(現・福井大学医学部附属病院薬剤部教授)、上杉美和薬剤師らは、産科婦人科を中心とした共同研究として、血液透析を受けている進行卵巣がん患者にオラパリブ錠を投与した際の血中濃度を測定し、その薬物動態を評価した症例を報告した。

 研究チームには、山野井桂、砂田真澄、瀧本雅美、村上隆彦、山口建、濱西潔、寺田智祥、万代昌紀の各氏が参加している。研究成果は『International Cancer Conference Journal』誌にオンラインで掲載された。

PARP阻害薬と腎機能低下患者に関する情報の位置づけ

 オラパリブは、PARP阻害薬(Poly ADP-Ribose Polymerase阻害薬)に分類される経口薬であり、卵巣がんなど一部のがん種において用いられている。薬剤の体内での吸収・分布・代謝・排出の過程は、腎機能の状態によって変化する可能性があるため、腎機能が大きく低下した患者への投与に際しては、薬物動態に関する情報が必要とされる場面がある。

 血液透析を受けている患者は、腎機能がほぼ失われた状態にあり、薬剤の体内動態が一般的な患者と異なる可能性がある。こうした患者群における薬物動態の実測データは限られており、個別の症例報告によって知見が積み重ねられている状況にある。今回の報告は、血液透析中の卵巣がん患者という特定の条件下でオラパリブ錠の血中濃度を実際に測定した事例として、薬剤部と診療科の連携による症例の記録という位置づけを持つ。

事実関係の整理

  • 情報の種類:症例報告(薬物動態評価)
  • 発表元:京都大学医学部附属病院薬剤部(研究主体、産科婦人科との共同研究)
  • 対象:血液透析中の進行卵巣がん患者1例
  • 主要指標:オラパリブ錠投与後の血中濃度
  • 掲載誌:『International Cancer Conference Journal』(オンライン掲載)

参考文献

京都大学医学部附属病院 薬剤部
https://yakuzai.kuhp.kyoto-u.ac.jp/20260911/


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