コラム

医療滞在ビザはどのように設計されたのか 制度創設時の整理

日本の医療という枠組みから、社会や制度、日常を考える。写真はイメージです。(写真:Adobe Stock)

 医療滞在ビザは、どのような経緯と制度設計の考え方のもとで創設されたのか。

 本記事では、2010年から2011年にかけて示された政府方針および外務省の公表資料をもとに、制度創設時の位置づけと枠組みを整理する。



医療滞在ビザ創設時に示された制度の枠組み

 外務省は、医療目的で来日する外国人を対象とした「医療滞在ビザ」を創設し、2011年1月から在外公館において運用を開始すると公表した。公表日は平成22年12月17日であった。

 公表資料では、2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」において、アジアの富裕層等を対象に、健診や治療などの医療および関連サービスを観光と連携して促進する方針が示されていたことが言及されている。

 制度の枠組みとしては、最大6か月の連続滞在を想定した取扱い、90日以内の滞在を前提とした数次査証による複数回渡航、必要に応じた同伴者の扱いが整理されていた。

制度創設の背景と位置づけ

 外務省は制度公表時点で、従来から治療目的で来日する外国人については、短期滞在査証により入国し治療を受けることが可能であったと説明している。

 その上で医療滞在ビザは、人道的観点も踏まえつつ、治療等で来日を希望する外国人にとって、より利用しやすい制度的枠組みを設ける趣旨で整理されたものである。

 滞在期間については、必要に応じて家族や付添の同伴を含め、最大6か月間継続して滞在できる枠組みが示されていた。一方で、6か月の査証は、入院して医療を受けるために滞在期間が90日を超える場合に限られることが明記されていた。

 滞在回数の取扱いとしては、1回の滞在期間が90日以内の場合、必要に応じて数次査証とし、有効期間が最大3年の範囲内で複数回の来日を可能とする考え方が示されている。

 同伴者については、必要に応じて同行を認める方向で整理され、参考資料では患者との親戚関係を問わない旨が示されていた。

 また、制度は1年間の試行期間として運用し、その影響を検証する考え方が示されていた。試行期間中は要件緩和方向の見直しは行わず、問題が認められた場合には、要件の厳格化や制度停止を含めた見直しを行う可能性があることが記載されていた。

事実関係の整理

  • 情報の種類:行政制度
  • 公表元:外務省
  • 対象:医療滞在ビザ(創設時の公表内容)
  • 公表日:平成22年12月17日
  • 運用開始:2011年1月(在外公館)
  • 主要項目:滞在期間、数次査証、同伴者の取扱
  • 留意点:制度の趣旨と基本的枠組みを示したものであり、運用の詳細は個別の取扱いに依存する

参考文献

医療滞在ビザの創設(外務省 報道発表、平成22年12月17日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/12/1217_04.html

「新成長戦略」(平成22年6月18日 閣議決定)
https://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/


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