研究

東北大学と自然科学研究機構、波長可変光源を統合した二光子励起STED顕微鏡法を開発、蛍光色素の選択肢を拡大

病気の克服を目指す研究動向。写真はイメージです。(写真:Adobe Stock)

 東北大学多元物質科学研究所と自然科学研究機構などの研究グループが、波長可変な誘導放出抑制(STED)光源を統合した二光子励起STED顕微鏡法を開発したと発表した。

 蛍光色素の波長制限を緩和し、50ナノメートルを下回る構造の可視化において、二光子励起STED顕微鏡として世界最高クラスの空間分解能を達成したという。

波長可変光源の統合で蛍光色素の適用範囲を拡大

 東北大学多元物質科学研究所の栗村直特任助教、東北大学の横山弘之教授、大阪大学多元物質科学研究所の佐藤俊一特任教授、自然科学研究機構生命創成探究センター(ExCELLS)/生理学研究所の根本知己特任教授らの共同研究グループは、波長可変な誘導放出抑制(STED)光源を統合した二光子励起STED顕微鏡法を開発した。この手法は、超解像二光子励起顕微鏡(二光子励起STED顕微鏡)に使用できる蛍光色素の波長制限を緩和するもので、研究グループは50ナノメートルを下回る微細構造の可視化に成功し、二光子励起STED顕微鏡として世界最高クラスの空間分解能を実現したと説明している。研究では、HeLa細胞における微小管のイメージングを通じて、この分解能が確認されたという。

STED顕微鏡法における波長制限という課題

 STED顕微鏡法は、光の回折限界を超えた空間分解能で細胞や組織の微細構造を観察できる超解像顕微鏡技術の一つとして知られる。中でも二光子励起を組み合わせた手法は、生体深部の観察や光による試料への影響の低減に利点があるとされる一方で、誘導放出抑制に用いる光源の波長が固定されている場合、その波長に適合する蛍光色素しか使用できないという制約があった。

 今回の研究グループは、この誘導放出抑制用の光源を波長可変とすることで、対応できる蛍光色素の範囲を広げるアプローチを採った。これにより、従来は波長条件が合わずに使用が難しかった蛍光色素についても、二光子励起STED顕微鏡での観察が可能になったと位置づけられている。

事実関係の整理

  • 情報の種類:研究発表(学術論文)
  • 発表元:東北大学多元物質科学研究所、大阪大学、自然科学研究機構(ExCELLS/生理学研究所)
  • 主な研究者:栗村直(東北大学多元物質科学研究所特任助教)、横山弘之(東北大学教授)、佐藤俊一(大阪大学多元物質科学研究所特任教授)、根本知己(自然科学研究機構ExCELLS/生理学研究所特任教授)
  • 手法:波長可変な誘導放出抑制(STED)光源を統合した二光子励起STED顕微鏡法
  • 主要成果:50ナノメートルを下回る構造の可視化で世界最高クラスの空間分解能を達成、HeLa細胞の微小管イメージングで確認
  • 掲載誌:Biomedical Optics Express(2026年7月16日付、日本時間)

参考文献


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