九州大学などがヒト遺伝子型データベース「JoGo」公開──1万9194遺伝子の配列型を整理
九州大学生体防御医学研究所の長﨑正朗教授らの研究グループは、ヒトの遺伝子配列の“型”を網羅的に整理したデータベース「JoGo(Joint Open Genome and Omics)」を一般公開したと発表した。
国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所や情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター、北里大学、理化学研究所などとの連携のもとで整備されたもので、1万9194遺伝子について465万6478個の配列型(ハプロタイプ)を収載しているという。
遺伝子配列の“型”を網羅したデータベース「JoGo」を公開
九州大学生体防御医学研究所の長﨑正朗教授らの研究グループは、汎用的な新規遺伝子型表記法「ACTG階層命名法」を確立し、ヒトの1万9194遺伝子について465万6478個の遺伝子型(ハプロタイプ)を整理したと発表した。整理結果はデータベース「JoGo(Joint Open Genome and Omics)」としてまとめられ、専用サイト(https://jogo.csml.org/)から一般公開されている。発表は、国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 ゲノム医科学プロジェクト 副プロジェクト長の河合洋介氏を発表者として、情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター、北里大学、理化学研究所、科学技術振興機構の連携のもとで行われた。
遺伝子型の整理が課題とされてきた背景
遺伝子は塩基配列から構成されており、その配列の組み合わせ(ハプロタイプ)は個人ごとにわずかずつ異なる。この違いが遺伝子の発現量や薬物代謝に関わる機能の差につながることが知られており、疾患研究や薬剤反応性の解析において重要な要素として扱われてきた。一方で、全遺伝子を対象に共通の命名規則で配列型を整理した辞書やデータベースはこれまで存在しなかったとされる。
今回確立されたACTG階層命名法は、遺伝子配列型をアミノ酸(A)、コーディング領域(C)、転写産物(T、UTRを含む)、遺伝子本体(G、イントロンを含む)という階層で表し、それぞれの階層内で出現頻度の順にIDを付与する方式とされる。この命名法に基づき整理されたJoGoは、長鎖型シークエンサによる情報を基盤に、人類集団における遺伝子型をカタログ化したものと位置づけられている。
事実関係の整理
- 情報の種類:遺伝子型データベースの一般公開
- 公表元:九州大学生体防御医学研究所、国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所ほか
- 発表者:河合洋介(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 ゲノム医科学プロジェクト 副プロジェクト長)
- 対象・規模:ヒト1万9194遺伝子、465万6478個の遺伝子型(ハプロタイプ)
- 主要な手法:新規遺伝子型表記法「ACTG階層命名法」
- 公開先:データベース「JoGo」(https://jogo.csml.org/)
- 留意点:本発表は基盤データベースの公開に関するものであり、個別の疾患診断や治療への具体的な応用範囲については本発表に記載がない
参考文献
国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所
https://www.ri.jihs.go.jp/topics/release/2025/20251203084808.html