研究

京都大学が家庭血圧測定データのAI解析研究を発表──測定中断の予測モデルを整理

グローバル医療と社会の関係をテーマに、タブレット端末を操作する医療従事者のイメージ

 京都大学の研究グループが、家庭血圧測定を途中でやめてしまう傾向を機械学習によって予測するモデルを開発したと発表した。約30万人分の測定データを解析し、測定開始から2週間分の情報から4週間後の継続・中断を見分けられることを示したという。

 高血圧管理では家庭での血圧測定を継続することが重要とされる一方、測定が長続きしない事例が課題として指摘されてきた。今回の研究は、この「続けにくさ」をデータから捉え、早期の支援につなげる可能性を示すものとして位置づけられる。

約30万人のデータから中断予測モデルを構築

 京都大学医学研究科の奥野恭史教授、松本麻見博士課程学生らの研究グループは、オムロンヘルスケア株式会社との共同研究として、約30万人規模の家庭血圧測定データを解析した。年齢や性別といった基本情報に加え、測定開始から2週間分の測定データを組み合わせることで、4週間後に測定を継続しているかどうかを予測する機械学習モデルを構築したと発表している。

 解析の結果、このモデルはAUC=0.93という指標で将来の測定中断を見分けられたと報告している。あわせて、平日の測定頻度が減少する傾向や、血圧値が基準から外れて高すぎる・低すぎることが、測定中断と関連する要因として確認されたとしている。

家庭血圧測定の継続をめぐる位置づけ

 高血圧は心臓や血管の疾患と関連することが知られており、日常的な血圧管理の指標として家庭での測定が広く用いられている。診察室での測定に比べ、日々の変動を継続的に把握できる点が特徴とされる一方、測定を始めた人が数週間から数カ月のうちに測定をやめてしまう事例が課題として指摘されてきた。

 今回のモデルは、測定開始から早い段階のデータをもとに中断の可能性を見分けようとする試みであり、測定を中断しそうな利用者を医療従事者やデバイス側が早期に把握し、働きかけの機会を設けるための基礎的な知見として位置づけられる。研究グループは、個々の利用者の状況に応じた継続支援の実装につなげたい考えを示している。

事実関係の整理

  • 情報の種類:医学研究(機械学習を用いた予測モデル開発)
  • 発表元:京都大学医学研究科(オムロンヘルスケア株式会社との共同研究)
  • 対象データ:約30万人分の家庭血圧測定データ
  • 主要指標:4週間後の測定継続・中断予測、AUC=0.93
  • 関連要因:平日の測定頻度低下、血圧値の異常な高低
  • 掲載誌:『Hypertension Research』(2025年11月7日掲載)

参考文献


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