慶應義塾大学がALSにおけるLAG-3とミクログリアの関係を発表──炎症と貪食の制御機構を整理
慶應義塾大学は2026年7月16日、免疫チェックポイント分子「LAG-3」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)においてミクログリアの機能を病期に応じて異なる形で制御していることを確認したと発表した。
研究グループは、炎症反応と貪食機能という異なる働きを制御する因子として、この分子を位置づけている。
LAG-3がミクログリア機能を病期依存的に制御
慶應義塾大学の研究グループは、免疫チェックポイント分子であるLAG-3が、ALSの病態進行に伴い、中枢神経系に存在するミクログリアの機能を制御していることを確認したと発表した。発表によれば、この制御は病気の進行段階によって異なる形で現れ、炎症反応と貪食機能という2つの異なる働きが、それぞれ別の仕組みで調節されている可能性を示す新たな因子として、LAG-3を位置づけている。
ALSとミクログリアをめぐる研究の位置づけ
ALSは、運動神経細胞が徐々に障害される進行性の神経変性疾患であり、原因や進行機序の解明が国内外で継続的な研究課題となってきた。近年の研究では、神経細胞そのものだけでなく、中枢神経系に存在する免疫細胞であるミクログリアが、炎症反応や不要な物質の除去(貪食)を通じて病態の進行に関与している可能性が指摘されている。
LAG-3は、もともとT細胞の働きを調節する免疫チェックポイント分子として、がん免疫領域などで研究が進められてきた分子である。今回の発表は、この分子がALSの病態においてもミクログリアの機能調節に関わっているとする知見を示すものであり、炎症と貪食という異なる機能が別々の仕組みで制御されているとする見方は、ミクログリアの働きを病期ごとに整理して理解するための一つの手がかりとして位置づけられる。
事実関係の整理
- 情報の種類:研究発表(プレスリリース)
- 公表元:慶應義塾大学
- 公表日:2026年7月16日
- 対象分子・疾患:免疫チェックポイント分子LAG-3、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ミクログリア
- 主要な指摘:LAG-3がミクログリアの炎症反応と貪食機能を病期依存的に、かつ別々に制御する因子である可能性
- 留意点:公表資料はプレスリリース段階の情報であり、試験デザインや詳細な数値データについては原論文等の確認が必要である
参考文献