研究

慢性膵炎患者におけるがん発症リスクと定期検査の位置づけ

病気の克服を目指す研究動向。写真はイメージです。(写真:Adobe Stock)

 東北大学が発表した全国共同研究に基づき、慢性膵炎患者におけるがん発症リスクと、膵がんの定期検査に関する結果を整理する。

 本記事では、提示された外部記事に記載の研究概要および数値情報をもとに内容をまとめる。



何が分かったのか

 慢性膵炎患者を対象とする全国規模の多施設共同後ろ向きコホート研究として、全国28施設の1110例を用いた解析結果が報告された。

 提示資料によると、一般集団と比較した標準化発生比では、慢性膵炎患者の全がん発症リスクが約1.6倍、膵がんは約6.4倍と算出されている。

 死亡率については、アルコール関連慢性膵炎の症例で標準化死亡比の上昇が確認された一方、アルコール非関連例では死亡率上昇を認めなかったと整理されている。

 また、膵がんに関しては、定期検査を受けて発見された症例で生存率が高い傾向がみられたと記載されている。

背景・位置づけ

 慢性膵炎は、膵臓の持続的な炎症により機能低下を来す疾患であり、膵がんを含む悪性腫瘍との関連が指摘されてきた。

 一方、提示資料では、日本の大規模集団を対象としたがん発症リスクや死亡率を同時に評価した研究報告が限られていたことが、本研究の背景として示されている。

 本研究は、国内の複数施設から集積した症例を用い、標準化発生比および標準化死亡比によって評価を行っている点が特徴とされ、慢性膵炎とがんリスクの関係を国内データとして整理したものと位置づけられる。

 定期検査に関する結果については、後ろ向き研究であることや、検査頻度にばらつきがある点が併せて示されており、結果の解釈にはこうした条件を踏まえる必要があるとされている。

事実関係の整理

  • 情報の種類:研究発表(多施設共同後ろ向きコホート研究)
  • 発表元:東北大学(提示資料の記載)
  • 発表日:2025年11月25日(提示資料の記載)
  • 対象:慢性膵炎患者
  • 規模:全国28施設、1110例
  • 主要評価指標:標準化発生比(SIR)、標準化死亡比(SMR)
  • 主な結果:がん発症リスク約1.6倍、膵がん約6.4倍、アルコール関連例で死亡率上昇、定期検査で発見された膵がん症例で生存率が高い傾向
  • 留意点:後ろ向き研究であり、検査頻度のばらつきがある

参考文献

慢性膵炎患者で膵がんリスクが6倍に 全国共同研究で定期検査に関する結果を報告(STELLANEWS.LIFE、2025年12月10日)
https://stellanews.life/science_category/8208/


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