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厚労省実証で検証された沖縄の医療インバウンドモデル──医療法人タピックと沖縄リハビリテーションセンター病院の取組

日本の医療制度と最新動向。写真はイメージです。(写真:Adobe Stock)

 厚生労働省「地域の医療・観光資源を活用した外国人受入れ推進のための調査・実証事業(令和6年度)」のうち、沖縄地域で実施された医療インバウンドの取組を整理する。

 本事例では、リハビリテーションを中心とした短期体験型滞在プランを造成し、中国市場を対象に展示会出展やモニター実証を通じて需要と課題を検証した。


事業の位置づけ

 沖縄地域の実証事業では、医療法人タピックがPMO(事業統括)を担い、沖縄リハビリテーションセンター病院を中心に、宿泊・観光・交通事業者と連携した医療インバウンドの受入体制を検証した。

 対象は主に中国からの医療渡航者であり、長期治療ではなく「短期体験型」のリハビリ滞在を通じて、日本のリハビリの考え方と沖縄の観光資源を組み合わせたモデル構築を目的とした。

今年度に実施した主な取組

① 滞在プランの造成

 まず、海外におけるリハビリをテーマとした短期滞在型旅行プランの事例調査を行い、その内容を参考に沖縄独自の体験型プランを検討した。

 造成されたのは、約1週間の短期体験滞在プランであり、午前中をリハビリ、午後を観光または自由時間とする構成とした点が特徴である。

② プロモーション・市場調査

 北京国際医療観光展示会に出展し、造成した短期体験プランを来場者に提示した。展示ブースでは沖縄地域の観光要素とリハビリプログラムを組み合わせた説明を行い、来場者アンケートを実施した。

 あわせて、東南アジアにおける医療ツーリズム先進医療機関のHPやSNSコンテンツを調査し、医療渡航者向けの情報発信方法を整理した。

 これらの結果を踏まえ、医療法人タピックの公式サイトに、医療渡航者向けの追加コンテンツ(滞在プラン、リハビリ内容、サポート体制等)を掲載する準備を進めた。

③ モニター実証と競合分析

 造成した短期体験プランはモニターツアーとして実証され、参加者からのフィードバックを基に評価が行われた。

 実証と並行して、日本国内でリハビリを提供する医療ツーリズムの競合病院について、受入体制、サービス内容、問い合わせ対応の流れを調査し、タピックの強み・弱みを整理した。

 さらに、医療・観光の両面からSWOT分析を実施し、北京展示会やモニター実証の結果を反映した形で分析内容を更新した。

短期体験滞在プランの内容

  • 期間:約7日間
  • 医療:沖縄リハビリテーションセンター病院での診察・リハビリ
  • 宿泊:ユインチホテル南城(宿泊中のリハビリ実施を含む)
  • リハビリ:平日午前中に2時間程度のプログラム
  • 観光:南城市・沖縄市・宜野座村の観光、植物園、エイサー体験、美ら海水族館等
  • フォローアップ:帰国後の診療情報提供書の翻訳・Web面談

今年度の検証から得られた示唆

  • 中国市場では「リハビリ=身体機能訓練」という認識が強く、日本の在宅復帰・社会復帰を重視したリハビリの考え方は十分に伝わっていなかった。
  • 観光要素、とりわけ体験型観光を前面に出した訴求の方が集客につながりやすいことがアンケートから示唆された。
  • 医療チームによる個別性の高い対応は競争力である一方、広報手法や販売チャネルの整理が今後の課題として明確になった。
  • 短期体験プランを入口として、より長期のリハビリ滞在につなげる設計の必要性が示された。

参考文献

地域の医療・観光資源を活用した外国人受入れ推進のための調査・実証事業 令和6年度事業結果の概要(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/001476945.pdf


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